kotonohamisaki

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石けん

箱から取り出した石けんを、手のひらにのせた。いい香りが、ぼくの鼻の奥に届いてきた。深い彫りを目立たせ、堂々としていた。その日から、朝から晩まで働き続けてくれた。激しくこすられ、丸っこい体を泡だらけにし、家族の体をきれいにしてくれる。身を削ら...
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あるんですね

うだる日の仕事帰りに、一杯の冷えたビール冬支度をはじめた大地で、可憐にゆれるコスモス凍てつく北風の中で、小さな使い捨てカイロクシャミと鼻づまりがない、三月の寝床のわたしけっこうあるんですね、「小さなしあわせ」って
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わすれていました

母に手を引いてもらって、入学式に行ったことを、叱られたくなくて、先生にウソを言ったことを、わが子に、後輩に、知ったかぶりしていることを、いつも誰かと比べている、つまらない人間であることを、わすれていました。わすれていました。わすれている人が...
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どちらもきれい

走っていると一番になれそうな気がして歩いているとおいていかれそうな気がしてでも、走っていた並木通りも歩いている、川沿いの土手もどちらもきれいです走り続けてきたぼくはいまは、歩いていますいつか、また走ってみます
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弱かったヒーロー

その日は、ウルトラマンだった。保育園のすぐ近くにある浜辺で始まった「ヒーローショー」園帰り、友だち3人と、久しぶりに海に向かった。その辺にカバンを置いて、その日もジャンケンで役を決めた。ジャンケンに勝ち抜き、主役になったぼくと、2匹の怪獣。...
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10センチ

10センチは、親指と人差し指を広げたぐらいでも、10センチのアリがいたら、こわくて、近よれないでも、10センチのゾウがいたら、かわいくて、手の平にのせたいきっと、10センチの大きさは、何かと比べて、決めているんだろうな…ねえ、ねえ、うつむい...
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一人間

一人の人間なんです。親にもらった名前をもつ一人なんです。でも生きていくうちに、ちがう名前がつきます。「後輩」、「先輩」。「新米」、「上司」。だから、ときどき勘ちがいしています。「ぼくには、ちょっと無理です」…と。「こんなことも分からんのか!...
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つまようじだけじゃなく、また!?

小6の冬でした。あれから3ヶ月経っていました。朝、目を覚ますと、体がずっしり重く、まぶたに力が入らない。間接のあちこちが痛んだけど、何とか上体を起こしてみた。うわーっ、頭の周囲を分厚い空気が取り囲み、しめつけてくる。「痛っー。」久しぶりの頭...
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つまようじ

小6の秋でした。登校前に、畳に落ちていたつまようじを発見した。拾い上げようと思ったけど、面倒くさくて、縁側から庭に蹴とばした。どこに落ちたかな? のぞき込んだけど…んっ? ない… どこに?畳のほうをもう一度見たけど、ない。そうしていると、足...
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ぼくのヒーロー

幼い頃のウルトラセブン 勇敢に怪獣に向かっていく姿、かっこよかったです小学生の頃の仮面ライダー 学校に着けていった変身ベルト、やっぱり先生に叱られました中学生の頃のベイシティローラーズ 洋楽にはまるきっかけに、意味分からずに得意げに口ずさん...