ぼくのヒーロー

幼い頃のウルトラセブン
 勇敢に怪獣に向かっていく姿、かっこよかったです

小学生の頃の仮面ライダー
 学校に着けていった変身ベルト、やっぱり先生に叱られました

中学生の頃のベイシティローラーズ
 洋楽にはまるきっかけに、意味分からずに得意げに口ずさんでいました

高校生の頃のクィーン
 聞いたことのない曲調と、フレディの歌声に魅了されました

大学生の頃の、テニス部の友達
 ぼくの持っていない行動力、うらやむばかりでした

教師をはじめた頃の先輩の先生
 仕事ができる人ってこうなんだ、ぼくのモデルになりました

今も、たまに酒を飲む幼な馴染みの親友
 人生の節目節目に、語り合いながら
 いつも生き方のヒントをくれます

それにしても、耳が遠くなり、会話もへり、
もともと低い身長がもっと縮み
免許を取るとき教えてくれた運転も、下手になっていく父

でも、近所のおじさんが言っていました
 「おまんのお父さんは、えい仕事をしよったぞ!」

思い出しました
 バイトで、父の職場に行った高校生のとき
 額に汗して、手際よく仕事をこなす父の小さな背中
 その頃、家族のためにどんなことを考えていたんだろう

今年、七回忌を迎えました
 やっと気づきました
 ぼくの中の、小さくて大きなヒーローに

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