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かっこいい

今から数十年ほど前だろうか。ラッパズボンという、裾の広いズボンが流行っていた。十数年前の若者は、思いきりズボンを下げて履いていた。パンツもお尻も、見えている。「腰パン」といっていた。短足に見えてヘンだった。ちなみに、私はふつうに履いても、ほ...
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わたしの五感

画家の見ているその絵は、きっと、わたしの「きれい!」とちがう。料理人の口にするその一品は、きっと、わたしの「うまい!」とちがう。音楽家の聞いているその曲は、きっと、わたしの「じょうず!」とちがう。残念ながらわたしには、彼らのような五感はない...
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勉強って、

雑草だらけの未知と未来に道を開き、描いた夢を形にするために、先人の、数えきれない失敗と成功で得た、知識と技術という道具。それを手に取って、使いこなすために、教科書とノートをひろげ、机に向かうことも勉強で。祖父母や親きょうだい、友だちに聞くこ...
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白ごはん

どんな相手でも、好き嫌いを言わず、いつも、定位置についている。その白い粒は、何色にも染まり、どんな具材とも、絶妙に混ざり合い、自在に形を変える柔軟さをもち、主役を演じることにこだわらない。食卓のレギュラーの座を、不動のものとしながらも、いば...
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足音

いつも、気にもとめず聞いていた足音に、「どうして?」と、わけを教えてもらった。どうして、はや足でバタバタ言ってるの?「忘れ物をして、あわててるんだ。」どうして、大きな音でドンドン言ってるの?「腹が立って、ついつい力が入ってしまうんだ。」どう...
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ミとファ

「ド」・「ミ」・「ソ」は仲よし。みんなで交ざり合って一つになる。「ミ」と「ファ」はお隣どうし。でも、交ざり合おうとしない。黒鍵も邪魔していないのに、仲よくなれない。近すぎるのが、よくないのかなあ。少し距離があるくらいが、いいのかも知れない。...
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迷子の29歳

- 8月初め、南からの寒風が吹く街の中で、ぼくは途方に暮れていた -仕事に就いて5年目、少しずつ貯まっていた貯金をはたいて、学生の頃から夢見ていた海外旅行に行くために、成田行きの列車に乗った。旅行雑誌で見つけた、ニュージーランドでのホームス...
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すぐれものたち

ケイタイの、スヌーズボタン3回目を止め、寝る前にセットした、温風ヒーターがぬくめてくれた部屋の窓側で、大きなあくびをしながら、布団からはい出た。結露のついたガラスをこすって、木々のゆれる東の山並みに目をやりながら、冷蔵庫から出した、夕べの肉...
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大じょうぶ、大じょうぶ

結婚したら、妻が夫にしてくれる。子どもが生まれたら、わが子が親にしてくれる。今から考えなくていいよ。考えてなれるもんじゃないから。なるようになる。なるようにしかならないから。そう言ってくれた、先輩からのアドバイス。新しい一歩をふみ出すとき、...
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石けん

箱から取り出した石けんを、手のひらにのせた。いい香りが、ぼくの鼻の奥に届いてきた。深い彫りを目立たせ、堂々としていた。その日から、朝から晩まで働き続けてくれた。激しくこすられ、丸っこい体を泡だらけにし、家族の体をきれいにしてくれる。身を削ら...